研究組織
接合プロセス研究部門
先進材料加工及び構造機能化に不可欠な、よく制御された種 々 の機能を持つエネルギーの発生・変換・輸送と材料との相互作用に関する基礎学理を究明し、各材料プロセスに応じた特性を有する工ネルギー源を探求する。
特に、当研究所において多くの成果を上げ、今後も益々その重要性が増大する集中性及び分散性エネルギーを用いた種 々 の新プロセスの最先端モ二タリング・解析法を開発し、高エネルギーにより誘起される諸現象の解明を通じて、機能エネルギー加工に関する学問分野の体系化を図る。
接合機構研究部門
溶接・接合構造体は様々な産業分野で広く使用され、社会の持続的な発展を支えている。その応用分野もますます広がり、最近では同種材料のみならず、異種材料での溶接・接合部に対して、より高度な機能や品質、信頼性などが要求されている。
本研究部門では、バルク体から多層薄膜といった多様な形態の溶接・接合加工を施した素形材を対象に、それらの機械的、物理的、化学的性質の科学的な理解を通じて、これらを支配する接合界面に着目し、材料学的かつプロセス学的知見から原子・ナノオーダーからメートルサイズまでを含むマルチスケールでの界面形成から接合に至るまでの機構解明を試みる。これらに基づき、新たな学術基盤の構築とともに、最適な溶接・接合、複合化に資する材料、構造およびプロセスの設計・開発を行い、接合界面の制御によって高い信頼性および機能を有する接合体、複合体の創製を目指す。
接合評価研究部門
革新的なものづくりを創出し、ものづくり産業の持続的成長を実現するには、高品質かつ信頼性の高い工業製品・構造物を生み出す科学技術を高次元で維持・発展させることが必要不可欠である。そのため、溶接・接合設計では、素材の特性を活かした構造化と、構造としての健全性・性能を設計段階で提示できる手法の構築が強く望まれている。本研究部門は、接合構造化解析学分野、接合構造化設計学分野、接合組織評価学分野の3分野で構成され、それぞれ溶接・接合における計算科学と構造化シミュレーション、溶接・接合の力学的影響を考慮した構造体の強度・信頼性設計手法の構築、材料科学的視点からみた溶接・接合部の信頼性評価を担い、溶接・接合構造のインタラクティブな性能評価システムの構築を目指す。
多次元造形研究センター
多次元造形研究センター(RAJA)は、微小な材料要素を連鎖的に接合することで、複雑形状の部材を高速かつ精密に造形できる、独創的なアディティブ・マニュファクチャリングの新規創出を基本姿勢として定める。その基礎理論構築と産業社会実装を機動的かつ戦略的に実践するため、既存の「スマートプロセス研究センター」が発展的に改組され、接合科学研究所の附属研究センターとして2022年4月1日に設置された。
センター組織の構成として5分野を設置し、高機能のナノ素材を合成と高濃度の充填を基礎として、高精細に制御された接合用のエネルギー源を駆使しながら、計算機支援による界面現象の可視化や接合条件の機械学習を経て、先端プロセスの最適化と体系化を進める。共同利用・共同研究拠点である接合科学研究所の附属施設として、学際的かつ融合的な研究連携を積極的に推進し、当該領域の選択可能な未来像を提案する。
センター所属分野は共通の価値観として、ダイバーシティ&インクルージョンを常に意識し、接合科学研究所の基幹部門とも連携しながら、ロボットやドローンを駆使した、造形部材の立体勘合や溶接接合を実践する。工学研究科の協力領域として教育にも携わり、持続可能な開発目標の達成に資する、グローバル視点の人材を輩出しつつ、産学連携による社会実装を経て、脱炭素社会の実現や水素資源の活用に貢献する。
グリーン造形学分野
●微粒子のグリーン合成 ●微粒子分散系のグリーン造形
積層造形学分野
●ナノ微粒子溶射による高温構造部材への緻密極薄被膜の形成 ●反応拡散マイクロ溶接による軽金属への硬質化合物パターニング
造形機構学分野
●軽元素によるチタン合金の結晶集合組織制御 ●固溶強化チタン積層合金の力学機能化 ●多孔質構造積層合金の変形挙動解析
レーザ造形学分野
●青色レーザによる金属積層造形法 ●高輝度レーザと粉末の相互作用の解明 ●マルチマテリアル化のための時・空間入熱制御
先端造形学分野
●粉体構造制御による材料微細構造設計と材料開発 ●機能性流体としてのコロイド材料の開発 ●界面の接合と分離の制御に基づく材料循環システム開発
協働研究所
共同研究部門
研究所間連携戦略室
接合界面微細構造解析室
グローバルD&I推進室
ニューノーマルものづくりコンソーシアム室
国際・産学研究拠点